建替えorリフォーム?そして分離発注or一括発注?建替えするときの注意点まとめ

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現在住んでいる家屋が老朽化し、さまざまなところに不便を感じたり設備を修繕しなければいけなくなったりしたときに、方法として思いつくのは「建替え」と「リフォーム」です。

どちらがいいのかどうかは、もちろん家屋の状態や予算の額などいろいろな要素が絡むために一概にはいえませんが、それぞれメリットもデメリットも存在しています。

また、建替えを選ぶ場合には注意点もいくつか存在します。順に見ていきましょう。

建替えとリフォーム、どちらがいいの?

前述したように、建替えとリフォームのどちらがいいのかという点に関しては、どこに問題を抱えているか、家屋はどんな状態なのかという細かい要素がさまざまに絡み合って判断するものです。

一般的には、建替えのメリットは「構造的・根本的な部分から大々的に直せるため、自由度の高い修繕・改善ができる」「新築と同様の状態になるためしばらくメンテナンスや修繕の心配がなくなる」デメリットは「費用が高額になる」というあたりでしょう。

対してリフォームのメリットは「費用が安価で抑えられる」「修繕すべきところに優先順位をつけられる」デメリットは「根本的な修繕ができないため、自由度は低い」という点です。

総合的に見て「自由度および長期的な観点重視なら建替え、コストパフォーマンス重視ならリフォーム」という選択がベターだろうといわれています。もちろん、あくまでも一般論ではありますが。

今回は特に建替えについてフォーカスし、注意点や安く抑えるコツなどを解説していきます。

建替え工事の流れ

まずは建替え工事の全体的な流れを見ていきましょう。

住宅施工業者探し

建替えには2種類の工事があります。ひとつは「旧宅を取り壊す解体工事」、もうひとつは「新居を建築する新築工事」です。

一般的には、新築工事を担当する住宅施工会社と契約すれば、解体工事も一括で発注することができます。これが「一括発注」です。まずはこの一括発注で進めた場合を想定して、建替え工事の手順を追っていきましょう。

一括発注では、新築工事を行う住宅施工会社をピックアップし、選定します。依頼先は「ハウスメーカー」「工務店・ハウスビルダー」などがメインとなるでしょう。複数の業者から見積と設計案が出されたら、検討・吟味し一社に絞って契約書を取り交わします。

ローンの審査

工事を依頼する会社が決まったら、ローンを申し込みます。

通常は住宅ローンを組むことになりますが、旧宅の住宅ローンの残債がまだ残っているのであれば、それも組み込める「建替えローン」を組むことになります。

住宅施工会社に解体工事も一括で発注してしまえば、解体工事部分にかかる費用も住宅ローンに組み込むことができるので、いっぺんに利用が可能です。

仮住まい探し・引越し

解体工事と新築工事をしている間は、当然生活できる住宅がなくなってしまうため、仮住まいを用意する必要があります。希望する条件の住まいがすぐに見つかるとも限らないので、早めに探し始めると良いでしょう。 

引越しにも手間と時間がかかるものなので、こちらも建替えの計画が出始めた頃から少しずつ準備を始めておきたいところです。

旧宅の片づけ

旧宅は解体してしまうので、中に何もない状態にしなければなりません。新居で引き続き使うものは仮住まいに移動させるでしょうが、不要なものは引越しの準備と並行してコツコツ処分を進めます。

解体工事

いよいよ旧宅の解体工事です。解体工事の工期は新築工事よりはずっと短く、数日~1週間で終わります。

地盤調査・地盤改良

解体工事が終わって敷地が更地になったら、専門の業者に依頼して地盤調査というものを行います。土地の形や大きさ・地盤の状態・隣接の土地との接し方・配管の状態などなど細かい要素をしっかり調べ、その結果によっては次に地盤改良に続きます。

地盤調査の結果地盤が軟弱であるとか、地震に弱いとかいうことがわかれば、土を固めたり柱を埋め込んだりして、地盤を強化するのです。

長い間旧宅が建っていた土地なので、現在はどうなっているかわからないことが多いでしょう。新築工事の前には一度必ず調査・改良を行っておいてもらいたいですね。

新築工事

建替え工事のメインともいえる新築工事。とはいえ、通常の新築工事と変わらないため、工期は数か月にまたがります。

完成したら、引き渡しと住宅ローンの実行が行われます。これで晴れて建替えの全工程が終了です。

一括発注について

前述したように、上記の建替え工事の流れは「一括発注」によるものでした。これは、新築工事を受け持つ住宅施工会社に、解体工事も併せて依頼する方法です。

一括発注のメリット

一括発注のメリットは、なんといっても「話が速い」ことです。住宅施工会社とだけ打合せをし、契約を交わすのもその会社だけです。あとは解体工事を行う業者の手配も、解体工事と新築工事のスケジュールのすり合わせや引継ぎなども、すべて施主がかかわりあわなくてもやってくれます。

時間がなくて手間暇をあまりかけられない方や、多方面との調整が面倒な方などは、一括発注が便利でしょう。

一括発注のデメリット

住宅施工会社は、解体工事もいっぺんに依頼を受けてくれますが、実際に工事を行うのはその下請けの解体専門業者であり、そこに仲介手数料というものが発生します。

この中間マージンを支払うのはもちろん施主です。住宅施工会社が施主に解体業者を仲介した、という形になるからです。

便利で手間がかからない分、ここに余計ともいえる費用がかさんでしまう点が、何よりのデメリットといえるでしょう。

分離発注について

分離発注とは、前述した一括発注が「新築工事も解体工事もひとつの業者に頼む」のに対して、「解体工事だけ別の業者に頼む」発注のしかたをいいます。

施主がみずから解体専門業者を選定する、ということになるのです。

分離発注のメリット

一括発注のデメリットの裏返しが、分離発注のメリットです。つまり、解体業者を自分で探してくることで、住宅施工会社に支払う仲介手数料が発生しなくなり、その分の費用を抑えることができるのです。

仲介手数料は、場合によっては数十万~数百万円にもなるため、この費用が浮かせられるというのは相当大きなメリットになるでしょう。

分離発注のデメリット

上項と同様で、一括発注のメリットが分離発注のデメリットと裏返しの関係になります。

つまり、分離発注は費用を大幅に浮かせられる分、手間と時間が多大にかかってしまう点がデメリットなのです。

一括発注であれば住宅施工会社に依頼できる解体業者探しを、施主自身が行わなければならないのですから、手間と時間は当然かかりますよね。業者をピックアップして見積を出してもらい、自分で選び、打合せを行い、住宅施工会社も含めた三者で受けジュールなどのすり合わせまで行わなければなりません。

手間や時間と、費用。どちらを重視するかで、一括発注を選ぶか分離発注を選ぶかを検討することになるでしょう。

まとめ

建替えとリフォーム、どちらを選ぶかで悩んだら、「長期的観点と自由度なら建替え、コスパならリフォーム」という基本方針に、まず立ち返ってみましょう。そこからさまざまな要素を絡めて総合的に判断するとよいですね。

いざ建替えとなったときには、費用面を節約するか、手間や時間を節約するか。その観点から分離発注と一括発注のどちらを選ぶか考えてみましょう。

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